» » ローマの世界遺産「コロッセオ」の見どころ4選

ローマの世界遺産「コロッセオ」の見どころ4選

2016年6月1日 ローマ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

さて。見所といっても…コロッセオは2000年以上も前に建てられた大・世界遺産。 そこに転がる石ころから、ひっそりと自生する草花一つ一つ、すべて、見所です。とにかく現地に立ち、頬を撫ぜるその風を、その風の中に微かに感じ取れる(かも しれない)血みどろの歴史の幽かな残響を、その肌で感じられることがイチバンのみどころ。

なにせ「コロッセオ」といえば、皆さんもよくご存知、かの有名なロー マ遺跡ですよね。世界遺産に登録された円形競技場で、たしか2000年以上前に建設 されて…そうそう、映画「グラディエーター」の舞台にもなったところで、猛獣と人間を闘わせたり、いろいろ血なまぐさいことが繰り広げられていて、でも時には水上ショーを行ったり。ローマ皇帝が、市民たちの毎日の不満や労働の疲れを発散できる場として作った……などなど、はっきり言ってそのあたりの一通りの歴史はちょっと調べればどこにでも載っておりますし、すでにご存知の皆様も多いのではないでしょうか。

そこで今回はあえて、「ガイドブックや教科書にはゼッタイに載らない!!! 」コロッセオ情報をゼヒ、皆様にお伝えしたいと思います。

”コロッセオ” その ”名” にまつわるタブーな歴史!!!

さて、この”コロッセオ”という名ですが、その由来として一般的に信じられている定説では、皇帝ネローネの彫像(彫像のことをイタリア語ではcolosso, コロッソと 呼びます)が近くにあったことからそう呼ばれるようになった、ということですが…ちょっとこの説には若干の無理があるような気もいたします。同時に、上記の説よりはるかに信憑性が高いにもかかわらず、政治的、宗教的にタブー視されている定説が確かに存在します。そして今日に至るまでそれは脈々と、口伝えに受け継がれてきました。今ここでご紹介いたしましょう…。

定説 1

現在コロッセオが立っている場所は、かつてイシス神殿のあった丘 (そう、イシスはエジプト神話の女神であり、ちなみに某秘密結社のシンボルです) ”イシス の丘” をラテン語で Collis Isei、コリッセイと呼びます。なんだか真実味が出てきましたね!

定説2

円形競技場内では密かに、悪魔信仰に近い秘密の儀式が行われており、毎回の儀式をしめくくる際に僧侶が信者たちにかけた決まり文句が、”Colis Eum, コリ セウム” であったため。う~ん、こちらもなかなかロマンがあります。いえ、実際、コロッセオ内で行われていたショーの最中に亡くなったグラディエーター達や動物たちの血を使ったおどろおどろしい秘密の会合や儀式などは、何を隠そう、れっきとした史実的事実であります。実際、当時のコロッセオの評判はその点に関して全くと言って芳しくなく、市民の間では ”コロッセオは地獄へと通じる7つの門のひとつ” とまで囁かれていたそうです。おそろしや。

古代ローマ文明を救うのは、華のファッション界

今年の9月の下旬頃から(2016年現在)、コロッセオ外壁の補修工事が開始される予定なのを皆様はご存知でしょうか。というのも、外壁に使用されているトラベルティーノ石と呼ばれる本来ならば真っ白なはずの石材が、長年のスモッグで薄汚れてしまっているからです。そうです、あのコロッセオは本来、目も眩むような真っ白い建造物だったんですね。そして今回、コロッセオ外壁に建設当時の眩しく輝く白さを取り戻そうと、この大掛かりなプロジェクトに日本円にして約3000億円を太っ腹に投資するのはなんと、かの有名なファッションブランド「TOD’S」で す。そう、財政危機のローマ市でもなくイタリア政府でもなく、TOD’Sです。モーダの天国ここイタリアでは、ファッション業界の財力と権力がモノを言います。

かつては魔法使いが薬草を求め殺到!科学的根拠もアリ

皆様、コロッセオにお越しの際には、その荘厳な遺跡とそこに流れる悠久の風だけではなく、足元にもちょっと目を向けてみてくださいませ。どこかにひっそりと、見たことのない草花が生えていませんか?というのも、”中世には、魔女や魔法使いがこぞってコロッセオに出かけていた。魔法の力を持つといわれるハーブを摘むためであった”という言い伝えがあるのです。ばかばかしい…と呆れた貴方、ちょっと待って!と言いますのも、ここ数世紀にわたり世界各国の植物学の権威たちは、コロッセオ内だけに自生する不思議な植物を、数種類にわたり発見しました。そもそもなぜコロッセオ内だけにこれらの種が発生、繁殖したのかは不明だそう。ね?あながちデマではなさそうでしょう。もしかしたら、コロッセオの中で、貴方も魔法のハーブを発見する事になるかもしれませんよ。

そのチケット、一粒で ”三度” 美味しいうえに二日間有効ですよ!無駄にしないで!

この記事をお読みになっている親愛なる皆様が、コロッセオの入場券を知らずに無駄にしてしまう事などのないように、こちらでご案内させてくださいませ。16ユーロの入場券はまず、二日間にわたり有効です。失くさずに保管してくださいね。そして、その一枚のチケットで、「フォロ・ロマーノ」と「パラティーノの丘」にも 入場できるようになっているという、大変良心的な価格設定になっています。(とはいえイタリアの事、事前によく確認・交渉なさってくださいね)ちなみにフォロ・ロマーノは紀元前の政治と宗教の中心地であった場所で、たくさんの神殿跡や巫女たちの住居跡などが残るそれは広大な遺跡群で、まるで紀元前に迷い込んだような、ロマンチックな気持ちになりますよ。そしてパラティーノの丘は、宮殿 (palazzo)の語源となった場所という名の通り、貴族や歴代の皇帝たちの宮殿が建てられた場所です。それでは、いってらっしゃい!

まとめ

コロッセオにはたくさんのミステリーがあります。”世界遺産”というと聞こえは良いけれど、消しても消せない血の歴史が息づいている事は、残念ながら無視できない事実ですね。実際にローマ法皇は年に一度、コロッセオで荒ぶる霊魂を鎮めるミサを行うほど。実際に足を踏み入れてみると、確かに、なんとなく重苦し~い雰囲気を感じるような気もします。これからコロッセオを訪れるご予定でしたら、貴方のその優しいお気持ちとともに、血を流して亡くなっていったグラディエーター達や動物たちへそっと鎮魂の祈りを唱えましょう。

筆者プロフィール

あゆ
あゆ

18歳でドキドキしながらローマに来て8年。国立サンタチェチーリア音楽院を卒業し、現在修士課程を修了しつつあります。

何よりも美食が幸せのもと。ローマ観光に来られた際、皆様に少しでもより心地よくグルメ体験ができるよう、お手伝いさせて頂ければ幸せです。

筆者をもっと詳しく知る

ロコタビに無料登録する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ロコタビブログのトップに戻る