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ローマを訪れたらぜひ見ておきたい!おすすめ古代遺跡10選

2016年6月24日 ローマ

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世界中から観光客が訪れるローマは、古代ローマあり、中世あり、ルネッサンスあり、バロックあり…、で魅力的な街ですが、所詮は、遺跡の街と言えるでしょう。つまり、すでにローマ帝国時代にローマのアイデンティティが出来上がってしまい、ローマ帝国滅亡後もローマ帝国の遺産を継ぎ接ぎしながら生きてきたのが、ローマです。しかし、ローマ帝国の遺産が未だに現代に溶け込んでいることは、ローマが唯一無二である証となっています。そこで、このローマ帝国のアイデンティティを追う上でキーワードとなるローマの古代遺跡10選をここにお勧めします。

目次

  1. パラティーノの丘
  2. カラカラ浴場
  3. ディオクレティアヌス帝の浴場跡(サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会)
  4. フォーリ・インペリアーリ(フォロ・ディ・アウグスト、フォロ・ディ・チェーザレ)
  5. サン・クレメンテ教会
  6. ドムス・アウレア
  7. ローマ水道橋公園(Parco degli Acquedotti)
  8. アッピア旧街道
  9. オスティア・アンティーカ
  10. ヴィッラ・アドリアーナ

1. パラティーノの丘

フォロ・ロマーノの横にある丘を登ると、ローマの7つの丘のうちローマ起源に由来する丘です。ここは、ローマ建国の祖である双子の兄弟ロムスとレモスの家があったとされる場所で、初代皇帝アウグストゥス帝が宮殿を建てた場所です(パラティーノの丘のPalatinoは、英語の「宮殿」を意味するPalaceの語源になったと言われている)。

ここを一番におすすめしたいのは、ローマ帝国の偉大さを肌で感じることができるからです。とにかく、「デカイ」のです。チルコ・マッシモを見下ろすことができたアウグストゥス帝の公邸、ドムス・アウグスターナの規模の大きさは、当時の皇帝の力がいかに巨大だったかが手にとってわかります。3階建てで、ペリステリウムという正方形の池が確認でき、当時いかに豪華な宮殿であったかがわかります。また、隣接した巨大な長方形のドミティアヌス帝のスタディウムは、皇帝の私庭と馬場として使われて、初期キリスト教徒の迫害場所でもありました。ここを訪れた後、必ずチルコ・マッシモ側からパラティーノの丘を眺めてください。ドムス・フラヴィアーナ、ドムス・アウグスターナ、スタディウム、ドムス・セヴェリアーナが一望でき、圧巻です。できれば、夕方、夕日を浴びたこれらの遺跡を眺めると、ローマの地を踏みしめている喜びがきっと実感できます。

住所

Via della Salara Vecchia, 5/6 00184 Roma
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Via di San Gregorio, 30 00184 Roma
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Piazza di Santa Maria Nova, 53 00184 Roma
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Piazza del Colosseo 00184 Roma
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電話番号

+39-06-39967700

オフィシャルサイト

http://archeoroma.beniculturali.it/siti-archeologici/foro-romano-palatino

2. カラカラ浴場

同じ風呂好き民族の日本人として、いかに古代ローマ人も入浴に情熱を捧げていたかを確認するために、是非訪れてほしい場所です。ところどころモザイクの床が残されており、217年にカラカラ帝が完成してから約300年間機能していたこの浴場がいかに豪華絢爛であったかが想像できます。また、広さ330㎡で、温浴室、冷浴室、熱浴室、運動場、図書館など備わった一大娯楽施設であったこの浴場が、現在機能していないことは非常に残念です。

住所

Viale delle Terme di Caracalla, 52 00153 Roma
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電話番号

+39-06-39967700

オフィシャルサイト

http://archeoroma.beniculturali.it/siti-archeologici/terme-caracalla

3. ディオクレティアヌス帝の浴場跡(サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会)

ディオクレティアヌス帝が306年に建造したこの浴場は、ローマ帝国内で最も大きく豪華な浴場で、一度に3000人収容できたと言われています。現在のテルミニ駅前に広がるチンクエチェント広場の端からヴェンティセッテンブレ通り、共和国広場一帯までが浴場の敷地でした。1562年に教皇ピオ4世の命を受けたミケランジェロが、かつての冷浴室とその周辺の建物を再利用して、諸天使とこの浴場建設のために駆り出されて殉教した初期キリスト教徒に捧げるために、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会が建立されました。巨大な浴場跡の一部とはいえ、大理石の床が広がる教会内に入り、高い天井の下で、聖人ではなく、少しエロティックな神々の像に囲まれながらお風呂に浸かる醍醐味を想像できる唯一の場所です。

住所

博物館

Viale Enrico De Nicola, 79 00185 Roma
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教会

Via Cernaia 9 00185 Roma
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電話番号

博物館

+39-06-39967700

教会

+39-064-880812

オフィシャルサイト

4. フォーリ・インペリアーリ(フォロ・ディ・アウグスト、フォロ・ディ・チェーザレ)

ムッソリーニ時代にヴェネツィア広場とコロッセオを結ぶ同名の幹線道路が敷かれ、毎日大型バスなど交通量が激しいのが難点ですが、かつて皇帝たちのフォロ(広場)が広がっていた場所です。ここでは2年ほど前から、フォロ・ディ・アウグストとフォロ・ディ・チェーザレの2カ所で、イタリアのドキュメンタリー番組コメンテーターの王道であるピエロ・アンジェロとパコ・ランチャーノの監修で「フォロへの旅 Viaggio nei Fori」という古代ローマイベントを行っています。直接遺跡に映像を写し、かつての状況をピエロ・アンジェロとパコ・ランチャーノが案内するのです。ドキュメンタリーイベントはイヤホンを付けて鑑賞する形式で、イタリア語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、日本語、ドイツ語、中国語から選ぶことができます。イベントは夕方から夜にかけて行われ、今年は10月31日まで開催しています。

住所

Via Alessandrina, Roma 00187 Roma
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電話番号

+39-06-060608

オフィシャルサイト

http://www.viaggioneifori.it

5. サン・クレメンテ教会

この教会は、18世紀の入り口(ファサード)、12世紀の見事なモザイク画が施された教会、その下には4世紀の初期キリスト教時代の教会、2世紀のミトラ神殿と住居跡を見ることができるローマならではの教会です。バロック様式のカルロ・マデルノ作ファサードをくぐると、鮮やかなコズマーティ様式のモザイクが施された聖歌隊席と、あちこちに可愛らしい動物がちりばめられた渦巻き状の葡萄の蔓が一面に描かれたモザイクが施された神々しい後陣が迎えてくれます。この教会の真下の下部教会に降りると、聖クレメンテの生涯が描かれたフレスコ画を見ることができます。また、キリストの昇天を描いた8世紀のフレスコ画もあります。さらに最下部へと進むと、小アジア起源の宗教であるミトラ教の神殿と、紀元64年のネロ帝の大火で焼失した住居跡があります。ここは未だに当時の飲料水が流れ続けています。

住所

Via Labicana, 95 00184 Roma
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電話番号

+39-06-7740021

オフィシャルサイト

http://basilicasanclemente.com/eng/

6. ドムス・アウレア

ネロ帝の黄金宮殿跡です。当時は人造湖だったコロッセオ広場周辺を中心に広大な敷地を占めていたと言われています。ここの室内装飾は「グロッテスク様式」と呼び、ラファエロなどルネッサンス期の芸術家たちに大きな影響を与えたことで知られています。ここは大雨の影響などから一般には公開していませんでしたが、最近一部公開し始めた遺跡の一つです。ここでは「ラオコーン」(バチカン美術館蔵)や「瀕死のガリア人」(カピトリーニ美術館蔵)、「妻を殺して自殺しようとするガリア人」(アルテンプス宮殿蔵)など有名な彫像が発見されています。内部はかなり湿気が多いですが、未だにところどころ当時のフレスコ画を確認することができます。

住所

Viale della Domus Aurea, 1 00184 Roma
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電話番号

+39-06-39967700

オフィシャルサイト

http://archeoroma.beniculturali.it/siti-archeologici/domus-aurea

7. ローマ水道橋公園(Parco degli Acquedotti)

ローマの南側、アッピア街道州立公園の東側に位置し、240ヘクタールにもわたる公園です。古代ローマ時代に造られた11本の水道のうち6本がこの公園内を通っています。中心地から離れていますが、地下鉄で簡単に行くことができます。Caput Mundi(世界の首都)ローマを支えた命綱である水道橋が草原の中笠松の間を縫って連なっている景色は、圧巻です。見ることができる水道橋は、「新アニオ水道」、「クラウディア水道」、「ユリア水道」、「テプラ水道」、「マルキア水道」、「フェリクス水道」です。

住所

Via Lemonia, 256 00174 Roma
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オフィシャルサイト

http://www.parcoacquedotti.it

8. アッピア旧街道

紀元前312年に開通したアッピア街道は、アドリア海側のブリンディシまで続いています。古代ローマ時代から主要街道として使われていたアッピア街道沿いには、古代ローマ並びにキリスト教の重要な考古学遺跡が並んでいます。ところどころ当時の石畳が残されており、馬車などの轍の跡も見ることができます。サン・カッリストのカタコンベやサン・セバスティアーノのカタコンベ、ドミティッラのカタコンベなど初期キリスト教にちなんだ遺跡の他に、チルコ・ディ・マッセンツィオやロムルスの墓廟、チェチリア・メテッラの墓など古代ローマ時代の遺跡もあるので、自転車などをレンタルしてサイクリングすると気持ちが良い場所です。

住所

Via Appia Antica 00178 Roma
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電話番号

+39-06-5126314

オフィシャルサイト

http://www.parcoappiaantica.it

9. オスティア・アンティーカ

photo credit: OstiaAntica 7 via photopin (license)

photo credit: OstiaAntica 7 via photopin (license)

ローマの郊外に位置しますが、テヴェレ川の河口に位置するオスティアの街は、古代ローマ時代から重要な貿易港として栄えていました。ここでは浴場や劇場、フォロ(公共広場)、インスラ(集合住宅)の遺跡などがあり、当時のローマ人の暮らしを垣間見ることができます。地下鉄B線のピラミデ駅からオスティア・リド線という電車に乗り換え、「Ostia Antica」駅で降りればすぐなので、ローマ滞在に余裕のある方は、オスティア・アンティーカまでの半日小旅行を企画するのも良いでしょう。

住所

Viale dei Romagnoli 717 00119 – Ostia Antica – Roma
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電話番号

+39-06-56358099

オフィシャルサイト

http://www.ostiaantica.beniculturali.it

10. ヴィッラ・アドリアーナ

ローマを出てティボリの手前に、ハドリアヌス帝の別荘だったヴィッラ・アドリアーナがあります。ハドリアヌス帝が東方遠征で訪れた各地を再現したと言われています。皇帝が独り籠って憩いの場だった海の劇場や大小の浴場、ナイル川で溺死した皇帝の愛人であった少年アンティノウスのためにエジプトのカノープスを再現しようとしたカノプス、運動場の役目をしていたポイキレ、皇帝の宮殿、ギリシャ図書館とラテン図書館、ギリシャ劇場などがあり、いかに洗練された小都市のような別荘だったかがうかがえます。

住所

Largo Marguerite Yourcenar, 1 00019 Villa Adriana – TIVOLI (RM)
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電話番号

+39-0774-530203

http://www.villaadriana.beniculturali.it

まとめ

以上、10の遺跡を巡ると、古代ローマ人がいかに自然に忠実で、人生を横臥してきたかがわかると思います。今回、2箇所浴場跡をご紹介しましたが、古代ローマ人は、例えば、サン・ピエトロ大聖堂くらい豪華絢爛な中で入浴を楽しんでいたということがわかると思います。つまり、古代ローマ人は、「神」など形而上学的な存在のためではなく、まさに「自分たち」が心地よく過ごすことができるために全力を投球していたのでした。

筆者プロフィール

Apollo di Veio
Apollo di Veio

大学時代はイタリア美術史を勉強し、最近ではオリーブオイルのソムリエの資格を取得したので、観光&グルメ関係なら任せてください‼︎ 車があるので、ローマだけでなく、行動範囲は広いです。

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