【ロコインタビュー】仁川は空港だけじゃないんです!多方面で韓国の情報を発信しつづける仁川在住ライター・ユラさん
2020年2月5日 ロコ活海外在住日本人インタビュー韓国
ロコタビは、海外在住の日本人(=ロコ)が旅のお手伝いをしてくれるサービスです。観光案内や送迎、ビジネス通訳、レストランの予約、その他さまざまな現地でのサポートなど、自分のしたいことを自由にロコにお願いできるサービスです。
※ロコ=ロコタビに登録している現地在住日本人
ロコタビでは上記に加えて、現地在住のライターによる情報発信もしていることをご存じでしょうか。
「今度旅行に行くこの国の公共交通機関は発達しているのかな?」「両替は現地でできるの?」というような旅行にまつわる基本的な疑問を現地在住ライターが解説しています。
この記事では現在ロコタビで活躍中のライターにインタビューし、海外に移住するまでの経緯や現地での生活の様子をご紹介します。
今回インタビューさせていただいたのは韓国の仁川に在住のユラさん。
2015年に移住し、在住歴は今年で5年目に入ったそうです。
韓国への道を開いた高校生の時の出会い
|まずは韓国に移住されたきっかけを教えて頂けますか?
移住の直接のきっかけは韓国人の夫と国際結婚をしたことです。韓国の仁川という空港がある場所に住んでいます。
韓国という国自体に興味を持ったきっかけは、高校生の時に参加した姉妹都市の日韓青少年交流会でした。
これは日本と韓国の中高生がお互いの国にホームステイをし互いの国の文化を学ぶというプログラムだったのですが、そこでペアになった韓国人の子と仲良くなったんです。
夏は私が彼女の韓国の家に2泊3日で滞在し、冬は彼女が日本の私の家に滞在しました。
一緒に過ごすうちに彼女と韓国語で話したい、もっと意思疎通をしたい!と思うようになり、進学後は本格的に韓国語を学ぶことにしたんです。
大学で韓国語を専攻しプサンに近い大邱(テグ)という場所に留学するくらい本格的に学んだので、夫とは日常的に韓国語で会話をしていますよ。
まさに自分が求めていた活動だ!と思いライターに応募
|ロコタビのライターになった理由や印象的なエピソードを教えてください
もともと文章を書くのが好きで韓国の情報発信をしているブログや記者団としての活動はしていたのですが、在住経験を活かして何かお仕事をしたいなと思っていたときにロコタビを見つけて登録をしました。
その後ロコタビ内でライター募集の告知があったのですが、まさに自分が求めていた「在韓を生かしたライターの活動」だと思いすぐに応募しました。
韓国在住歴はそこそこあるからと挑戦してみましたが、タクシーや病院の情報など住んでいても意外と知らないテーマも多かったです。執筆のための情報収集をしていると自分の勉強にもなりました。
例えば仁川でのトラブル対策についての記事。
実を言うと韓国で病院は歯医者にしか行ったことがなかったので、病院はもちろん夜間緊急の詳細はよく知らなかったのです。
さらにソウルであれば日本語コーディネーターがいるような病院もあるのですが、仁川にはそういうサービスが少ないので記事の中でどのように紹介すればよいかとても悩みながら執筆しました。
▶仁川(インチョン)の治安・安全対策〜危険な地区・エリア、トラブルと対策
|ライターとしてどんな時にやりがいを感じますか?
これから書こうとする記事テーマを日本語で検索してみたときに、その情報が検索結果に出てこなかったとします。検索結果が出てこないということはまだ日本語で書かれたそのテーマの記事がないということ。
今までなかったテーマの記事を新しく自分の手でこの世に生み出せるということなので、やりがいを感じます。
ただし、日頃生活する中でなんとなく理解していても記事として文章に残すとなるとしっかりとした理解が求められますよね。
きちんとした情報を得るために、いろいろな場所に電話で問い合わせをして130分内のかけ放題プランを全部使ってしまう月もありました!
そうして苦労して書いた記事が「仁川 〇〇(何かのキーワード)」と調べた時に検索結果の一番上に出てくると嬉しく思います。
上の方に出てくるということはそれだけ閲覧されている、よい記事だという評価をいただいているということなので。
|ライターとして大事にしていることは?
良い記事を書くために日頃からできるだけ自分でいろいろなところに足を運び、写真撮影をし、地理を学び、カフェや観光スポットを探す努力をしています。
常に「新しいことを知りたい」と思って行動するのはライターとして大切な姿勢だと思います。
韓国や仁川の濃い情報を様々なかたちで発信し続ける
|ロコタビ以外ではどんな活動をされていますか?
政府機関の多言語ポータルサイトで韓国で起こっていることを日本語でお伝えするという活動をしているので、記者団として韓国のイベントに取材をしに行くことがあります。
あとは個人で運営しているブログでの情報発信も日ごろから頑張っています。韓国に関わるようになってからK-popや韓国の美容にも夢中になり、だいぶ詳しくなりました。
韓国のクリニックに皮膚管理をしに行くこともありますし、そういった韓国のコスメや美容に関する情報もブログで発信しています。
文中に出てきたユラさんのブログは、韓国のインスタントラーメン文化を紹介した記事が昨年「世界ウェブ記事大賞」でデイリーポータルZ賞を受賞しています。日本に住んでいると知ることのできないような興味深い内容なのでぜひ読んでみてくださいね。▶『韓国のインスタントラーメン文化』(ユラさんのブログより)
|ユラさんは昨年、ロコとしてラジオ番組にも出演されたんですよね。
ユラさんはJFN系列で25時~全国放送されているラジオ番組、「ON THE PLANET」の2019年11月20日収録分に韓国の事情を知る現地在住日本人としてゲスト出演され、韓国のカフェ事情についてお話しいただきました。
話すのが得意ではないことは自覚していたので、最初お話をいただいた時は出演を迷いました。実は夫に相談してみても「やめておいたほうがいいんじゃない?」と言われたんです。
何度か個人でやっているブログの話が出ましたが、私はそのブログをもう5年くらい続けているんです。
韓国のことを伝えたいという強い思いがあるから何年も続けられているのだと思いますし、実際に住んでいるからこそ分かることも多いと感じます。
そう考えたら私の知っている韓国のことをみなさんに伝えられる良い機会だと思い、やはり出演しようと思えました。
台本も頂いていたので準備をして臨んだつもりですが、実際は思っていたよりも出演時間が短く感じられて焦ったり、顔が見えないパーソナリティーの方との対談(※ユラさんは電話での出演でした)は話し始めるタイミングを見計らうのが難しかったり……と初めてのラジオ出演で難しく感じることもありました。
でもこういう機会はなかなかないので、緊張しましたがいい経験になりました。
通り過ぎるのはもったいない!仁川エリアの魅力
|仁川在住者としてこのエリアについてもっと教えていただけますか?
多くの日本の方は仁川空港だけ利用して通り過ぎてしまうと思うのですが、実は仁川にも見どころはたくさんあるんです。何度も韓国に来ていてソウルに飽きた方はぜひ仁川にも足をのばしてほしいです!
仁川エリアは住んでいる日本人も観光に来る日本人も少ないエリアなので、わたしも仁川の魅力を日本人の方に伝えられる記事をもっと書いていきたいと思っています。
■東仁川(トンインチョン)
東仁川はチャイナタウンもあり昔から外国人街として知られているエリアです。過去に日本人が住んでいた建物も残っているんですよ。
そんな歴史的な側面もありますが、文化的な街でもあります。
現代アートも盛んなエリアですし、映画やドラマのロケ地も多くあり「あ、ここはあのドラマで見た場所だ!」なんて気づくこともあります。(冒頭の黄色い壁の書店は東仁川にあるドラマ「トッケビ」のロケ地)
おしゃれな街並みなので、写真撮影が好きな方も楽しめると思います。また、東仁川はインスタ映えするおしゃれなカフェが集まるエリアでもあります。
■冨平(プピョン)
冨平は巨大な地下のショッピング街で有名な場所です。ここで売っているものは若い人向けの服やファッション雑貨がメインです。
入り組んだ造りになっていてお店がたくさん並んでいるのですが、その複雑さは韓国人の友達もみんな「出口がわからない!」と言うほどなんです。
広くて複雑な場所なので迷子にならないように気をつけてくださいね。
■松島新都市(ソンド)
松島は新都市の名の通り、新しく埋立てられてできた新しい街です。
高層ビルが立ち並ぶビジネス街でもありますが、新しいマンションもたくさんあって住民の憩いの地のような緑豊かな公園もあります。
そのセントラルパークという公園では遊覧船や松島の街を見下ろせる展望台があって観光もできるような場所なので、日本から来た方でも楽しめると思いますしここにもショッピング街やおしゃれなカフェがありますよ。
■江華島(カンファド)
世界遺産であるコインドルという支石墓群の遺跡がある場所です。歴史の中ではここに首都が移った時期もあるので韓国の歴史に興味がある方におすすめです。
とはいえ、ここにもインスタ映えするおしゃれなカフェがどんどんできているのでカフェ好きの方も楽しめるはず。とくに有名なのは紡績工場をリノベーションした巨大なカフェ。その規模に驚くと思いますよ。
|最後に、ロコタビへの登録を検討している方に一言いただけますか?
迷っているなら登録だけでもするといいと思います。
あとは在住エリアに関して伝えたいことがあるという人にもおすすめです。
自分のエリアのことを人に伝えるということは、思いがけず自分の勉強にもなるのでぜひ挑戦してみてください。
ユラさんは穏やかな口調で優しくお話しされる方なのですが、それとは裏腹に出てくる仁川エリアの情報は枯れることがないのではと思うくらい。
ロコタビで現地の日本人にしかわからない情報を提供し、政府のポータルサイトで韓国で起こったことを日本に伝え、自分のブログでは日常で気づいたことや韓国の美容や文化について発信をし続ける。
韓国語が堪能で言葉の壁をものともしないユラさんの情報は、韓国に興味のある日本人にとって貴重なものばかりです。
また、インタビューの最中で教えてくださったとある内容に関して「その情報が本当に正しいのかどうか念のために確認させてください」と言って、のちほど連絡をくださったユラさん。
自分が発信する情報に最後まで責任を持つというその姿勢からは、ライターとしてのプロ意識を感じました。
韓国は日本人のわたしたちにとって非常になじみ深い国なので、これからも価値あるユラさんの情報に注目していきたいですね。
ちなみに、冒頭にでてきた日韓青少年交流会で出会ったお友達とはなんと今も仲良しなのだとか!
(取材・文=miya888)