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考古学との出会いから移住へ!エジプトで工芸家としても活躍するロコ・hekmatさん

2018年8月2日 エジプト海外在住日本人インタビュー

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ロコタビは、海外在住日本人(ロコ)が旅のお手伝いをしてくれるサービスになります。観光案内や、ビジネス通訳、食事のアテンド、現地でのサポートなど、自分のしたいことを自由にロコにお願いできる場所です。この記事では、現在海外で活躍中の日本人の方に直接インタビューし、現地での事や海外に行くまでの経緯、日々の生活などをご紹介します。

今回インタビューさせていただいたのは、エジプトのカイロ在住6年目のhekmatさん。もともと古代エジプトについて興味があり、それをきっかけにカイロに住むことになったそうです。

※ロコ=ロコタビに登録している現地在住日本人

幼い頃、古代エジプトの考古学と出会い…

ヒエログリフ

|エジプトに興味を持ったきっかけを教えてください

きっかけは、古代エジプトの考古学に興味を持ったことです。私の出身は東京都の府中市で、遺跡の発掘を多くしている場所でした。それを見て育ったので、小さい頃から考古学に興味があったんですよ。

また、一般向けの公開講座「早稲田大学オープンカレッジ」を受講していました。そこで、古代から現代までのエジプト学と、アラビア語とヒエログリフを学びました。

そして、その教室の先輩に誘われるようにして、実際のエジプトの遺跡を見に行ったんです。2週間程度の滞在からスタートしたのですが、1か月2か月と徐々に滞在期間が長くなっていき、移住にいたりました。

|実際に移住を決められたときは、どんな想いでしたか?

毎年1か月、2か月とエジプトに通っていたので、あまり不安はなかったです。現地にも知り合いが多くいましたし。もともと日本と行ったり来たりの繰り返しだったので、エジプトと日本と半分ずつ住むぐらいで生活ができたらいいなと思っていました。

なので、最初はエジプトに1年だけ住もうと来たんですけど、エジプト人が「ぜひいてくれたら良いな」と好意的で。不定期で金額は高くないのですが、ちょっとした仕事を紹介してくれることもありました。

なんとか生活の目処が立ち、家賃が払える仕事を調達できるようになったころ、エジプトで暮らしていくイメージが沸いてきました。

紅海

|どのようにエジプトでの人脈やネットワークを築かれましたか?

最初は、代理店の人や、旅行関係で知り合った方です。日本でエジプトについて勉強していたときの、日本在住のエジプト人の先生からの依頼も、きっかけのひとつですね。その先生に、エジプトにいる家族に届け物をして欲しいと頼まれることがあったんですよ。それをきっかけに、人脈が段々と広がっていきましたね。

あと、エジプト人は人懐っこいというのがあります。家で一緒にご飯を食べようと誘ってくれるので、家族ぐるみで付き合うことが多かったですね。そうして25年近くエジプトに通っていたので、小さかった子どもの成長を、そばで見守ることもできました。遠い親戚よりも毎年確実に来てくれるおばさんのようになっていて(笑)。

エジプトではまだ平均寿命が60代ぐらいなのですが、家族に関わることで、さまざまな家庭の事情に触れる機会も多かったです。そういった積み重ねで、家族が大変なときに子どもを預けてもらうほどの信頼関係が築かれていきました。

エジプト人はマイペース?

|エジプトで一番好きなところ・魅力を教えてください

考古学的な魅力ももちろん大きいのですが、エジプト人の魅力というのも大きいです。日本では、親しく付き合っている人がいたら、ずっと継続していかないと途中でプツンと切れて、それっきりになってしまうことがあると思います。

けれど、エジプト人はそういった意味で全然無理をしない人たちなんです。「疲れたから1人でいたい」とか「明日はちょっと会えない」と言っても、「そうなんだ、じゃあ会いたくなったら言って」というだけ。

本当にそういうことがあって、元気になったなと思って電話をすると、すごく喜んでくれて大歓迎してくれたりするんです。なのですごく楽ですね。

「嫌だ」とか「疲れた」も、すぐに言えます。その間は静かにしていて、「もう大丈夫」と言ったらまた楽しく話すことができるんです(笑)。そういう関係性は、日本ではなかなか難しいのかなと思いますね。

|エジプトでの心得があれば教えてください

エジプト人はゆったりしていて魅力的なのですが、その反面、国がなかなか発展しないという面があります。例えば、現地案内の約束があって代理店に行っても、今日は奥さんが風邪を引いたので会社を休んでいます、ということが普通にあるんです。こういうことがあると、どうやって日本のお客さまに説明しようかという問題が出てきます。

その他にも、2週間も見積りを待たせてしまうケースや、返事が返って来ないなどのトラブルが多いです。そういうところがエジプトでは大変です。日本のお客さまに、それを理解してもらうのもなかなか難しいですね。

|ユーザーにサービスを提供する上で気を付けていることなどありますか?

とにかくすぐに回答するように気を付けています。実際にお客さまからの評価にも、「返事が早い」と書いていただいています。ただ、先ほどのエジプト人のペースの問題があるので、お客さまが本当に求めている情報に対する回答が早いかと言われると、別になります。

しかしここで、私が日本人のお客さまとのやり取りを疎かにしてしまうと、回答がいつもらえるか分からなくて、お客さまは不安になってしまいます。なので、お待たせしてしまう場合でも、すぐに返事をするというのを大切に心がけていますね。

ロコとしてのいま、これから

職人とのコラボ作品

|現在の生活について教えてください

ロコタビの仕事など、他にもいろいろなことをしています。中でも工芸家という「物を作る」仕事に力を入れています。エジプトでは、日本の伝統工芸と同じように、若者が後を継がない「後継者不足」が問題になっています。

そこで私は、エジプト伝統工芸の職人と組んで、作品を作っています。エジプト人の若者に、伝統工芸の仕事が海外でも認めらていると知ることで、少しでも興味を持ってもらえたらと思います。

|ロコとして、印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください

そうですね、お客さまはいろいろな目的を持っていらっしゃるので、とても面白いです。

例えば、写真家の方で、エジプトの「お墓に住んでいる人を訪ねたい」とおっしゃる方がいらっしゃいました。そのときにエジプトの職人たちとのネットワークが役に立ちます。伝統工芸の職人の多くがお墓に住んでいたり、工房を持っているからです。

私自身がいろいろな仕事をしていることで、それが思わぬところで使えたりして、他のロコさんとは違う内容でお届けできることに繋がっているかもしれないですね。

|近い将来やりたいことや次の目標などはありますか?

やはり、工芸家として「ものづくり」を大きくしていきたいというのはあります。そういう意味でも、物を買ってくださる日本人のお客さまに触れていないと、どういう物を求めているのか分からなくなってしまいます。

ロコタビを通して、日本人が望んでいるエジプトの物というのが感じられて、とても良い機会をいただいているなと思っています。

|海外在住ロコとして登録を考えている方に、アドバイスがあればお願いします

観光に来られる方の中には、それぞれの国に対して、現地観光での固定されたイメージが強いのかなと感じています。なので、海外在住ロコならではのもの—現地の国の人が本当に食べているものや、お土産店でよく売られている物ではない、その土地の伝統工芸—を紹介できたら良いのではないでしょうか。

 

幅広い分野のお仕事で活躍されているhekmatさんは、たくさんのご経験や知識をお持ちで、話を伺っているだけで、エジプトに行ってみたくなりました。普通の観光では得られない体験や、エジプトのことをより深く知りたい方は、hekmatさんに依頼してみてはいかがでしょうか?

hekmatさんブログ:エジプト旅行かばん

(取材・文=Yuri Okamoto)


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