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【私のオトナ留学】2018年アルゼンチンタンゴ世界選手権について

2018年8月25日 タンゴ留学アルゼンチン

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こんにちは。

南米、アルゼンチン共和国の首都ブエノス・アイレスでタンゴを勉強しながら タンゴダンサーとして活動しているあかねです。

アルゼンチンの首都、ブエノス・アイレスでは毎年8月にアルゼンチンタンゴの世界選手権が行われます。

「私のオトナ留学」今回は、世界中のタンゴ愛好家をブエノス・アイレスに集めるこのアルゼンチンタンゴ世界選手権(世界大会)についてご紹介したいと思います。

アルゼンチンタンゴ世界選手権

アルゼンチンタンゴ世界選手権はブエノス・アイレスで行われるタンゴフェスティバル(祭り)の一部です。

タンゴダンスの選手権以外にもタンゴのオルケスタや歌、講演、映画、ショーやタンゴのクラスなども会場内にて無料で楽しめ、選手権に参加せずともアルゼンチンのタンゴを楽しめる期間です。

2018年の今年は、8月9日から22日まで行われました。

タンゴダンス選手権について

選手権のカテゴリ

アルゼンチン・タンゴの世界選手権にはカテゴリが大きく分けて2つあります。

一つは「ピスタ部門」と呼ばれる踊り。 タンゴは大人の社交場”ミロンガ”で踊られるため、そのミロンガでより美しく、エレガントに踊ることを想定とした部門。

審査は、1回10組ほどのペアで踊り、踊りながらロンダと呼ばれる円形を形成してそれぞれの踊りの優雅さやテクニック、音楽表現などを競います。

もう一方は、「エセナリオ」と呼ばれるショータンゴ。

大人の社交場「ミロンガ」で育ったタンゴに、バレエの要素を加えて造られたと言われるこの踊りは、エレガンスからは少し外れて、エキサイティングでアクロバティック。

それでもタンゴの要素を感じさせる踊りの音楽性と、テクニックが必要になります。

海外輸出用とまで言われたエセナリオは、「タンゴ」というと想像できる人も多いことでしょう。

選手権の工程

アルゼンチン・タンゴの世界選手権は、申請すれば無料で誰でも参加できます。(2018年現在)

7月、ブエノスアイレスの市のホームページで募集の告知がされてからWeb上でエントリーをし、 8月の大会予選の直前に、ブエノス・アイレスのボカ地区にあるウッシーナデアルテという会場に行って チェックインし、出場前の受付時間を確認します。

あとは予選当日、受付時間に会場入りします。

今年の選手権の日程は、

13日、14日の二日間でピスタ部門の予選
15日、16日の二日間でエセナリオ部門の予選
18日にピスタ部門のセミファイナル
19日にエセナリオ部門のセミファイナル
21日 ピスタ部門のファイナル
22日 エセナリオ部門のファイナル
という10日間の日程で行われました。

ピスタ部門の選手権

予選は2日間あり、毎年、400組から500組ほどが参加し、朝11時から夜21時過ぎまで、10組程度のグループに別れて3曲づつ踊ります。

5月に開催されるブエノス・アイレス市の選手権では、アダルト(40歳未満)とセニョール(40歳以上)と分けて行われますが、世界選手権では、このカテゴリ分けはされていないので、中には80歳以上のおじいちゃんやおばあちゃんも参加されます。

予選通過の数は毎年変わりますが、今年は120組。 通過したカップルは、3日後のセミファイナルに進みます。

エセナリオ部門の選手権

エセナリオは、振り付けの踊りになるので各自用意してきた音楽で1組づつ踊ります。

こちらも2日間あり、今年の予選通過は、45組。 予選通過したカップルは、2日後のセミファイナルに進みます。

セミファイナルまではウッシーナデアルテという会場で行われますが、ファイナルはルナパークという9290人を収容すると言われる屋内スタジアムに会場を移します。

審査員は、著名なタンゴダンサーやタンゴ教師、ミロンゲーロが行い、審査はテクニックや芸術性、音楽の解釈やパートナーとのコネクションなど多岐に渡ります。

世界大会ファイナル(決勝)

ファイナルのチケットを求めて、フェスティバル期間中に長蛇の列が早朝から並ぶほど、大人気のファイナル。

ここで毎年、その年の「ピスタ部門」「エセナリオ部門」それぞれのチャンピオンが決まります。

このファイナルには、過去の世界選手権の優勝者やタンゴに貢献した著名人なども呼ばれて一緒に観戦します。

また、選手権の審査時間にはオルケスタの演奏や、著名なタンゴ歌手が歌い、待ち時間も観客を退屈させません。

 

今年のピスタ部門のファイナリストは36組。

エセナリオ部門のファイナリストは20組。

世界中で踊られるようになったアルゼンチンタンゴですが、歴代のチャンピオンの多くはアルゼンチン人です。

タンゴの文化や歴史、また音楽の叙情を理解し、街中にタンゴが溢れる中で育つアルゼンチン人のタンゴへの理解は深く、「タンゴはアルゼンチンのものよ。」と言い切るアルゼンチン人がいるほど、外国人がタンゴを表現するのは難しいとされています。

 

2018年アルゼンチンタンゴ世界選手権の結果

今年のチャンピオンは、というと、

サロン部門

Carla Rossi y Jose Luis Salvo(アルゼンチン)

エセナリオ部門

Dimitry Vasin y Sagdiana Hamzina (ロシア)

どちらのカップルもとても素晴らしい踊りでした。

長い時間をかけてしか得られない「タンゴ」という踊りの奥深さを魅せてくれたチャンピオン達。

そして、チャンピオンにならずとも、この世界大会で踊る全てのダンサー達が 今年もアルゼンチンタンゴの魅力をより感じて、このフェスティバルの幕を閉じたことでしょう。

 

ファイナリストを呼び上げる直前。

薄暗い満席のスタジアムがシーンと静まりかえり、観客達がステージを見ながら息を飲むその瞬間。

同列に並ぶ壇上のファイナリスト達の中で、自分の名前が呼び上げられたカップルの

張り詰めた緊張がほろりと解け、崩れ落ちるような歓喜の表情を見るたびに、

「ああ、私もあの場に立ちたい。」

と思わずにはいられません。

 

タンゴは、選手権だけが全てではないけれど、

それまでの努力を形として評価されたいと思ってしまうのは、人間の弱さでもあり、

それを目指す向上心は人としての強さに繋がるのではないかと 思います。

 

いかがでしたか?

タンゴは世界中で、そして幾つになっても楽しめるとても素敵な踊りです。

そんな踊りが気になった方、ぜひアルゼンチンタンゴをはじめてみてくださいね!

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