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パリから約40分の小旅行!フォンテーヌブローでフランスを体感してみては

2014年10月6日 パリ

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巨匠オペラ作曲家ヴェルディの中期傑作のひとつに「ドン・カルロ」があります。パリ オペラ座の依頼による作品で、原作はシラー。物語の舞台は16世紀スペイン王宮ですが、ヒロインは許されぬ恋に悩みながらも気高く正しく振舞うフランス王女エリザベートです。オペラは、婚約者同士であるスペインのフェリペ2世の王子カルロとエリザベートが森で出会うところから始まります。身分を明かし二人で愛を誓い合った途端に、エリザベートの結婚相手はカルロではなく、その父フィリップ(フェリペ)に決まったと知らされることから悲劇が始まります。王女と王子の遭遇など現実世界では不可能なのですが、その舞台に設定されたフォンテーヌブローの森には、そんなことも起こるかもしれない、と思わせてくれる不思議な力があります。

フォンテーヌブローはイル=ド=フランス地方にあり、パリからは南東に65km、セーヌ河左岸の広大な森林の東側の外れに位置します。日本に置き換えると、パリが東京、イル=ド=フランスが首都圏といったところでしょうか。フォンテーヌブローは700年もの長い間、代々のフランス王が別邸や狩猟場を置いて好んで過ごしてきた場所です。こちらは、現在の日本の皇室に例えれば軽井沢に当たるかもしれません。忙しい宮殿を離れて、王様達はひととき森での狩猟を楽しんでリフレッシュしたのでしょうか。きっと数々のロマンスもあったことでしょう。王権強化への道を開き、アヴィニョン捕囚(ローマ教皇庁をフランスのアヴィにオンに移してしまった事件)で知られるフィリップ4世(端麗王)などは、フォンテーヌブローの城で誕生して、また狩りの最中に体調を崩し、この地で没しています。

フランス王達のフォンテーヌブローへの愛着の結実ともいえるのが、フォンテーヌブロー宮殿です。

現在残る城を建て始めたのは16世紀ヴァロア朝のフランソワ1世、晩年のレオナルド・ダ・ビンチをフランスへ招いた芸術好きの王様です。その息子アンリ2世の時代に宮殿は大きく拡張されました。アンリ2世といえば、ノストラダムスに馬上試合の事故による死を予言されたエピソードが有名ですが、イタリアの権力家出身のカトリーヌ・ド・メディチを王妃に迎えながらも、20歳も年上の元家庭教師、ディアーヌ・ド・ポアチエを生涯愛し続けたことでも知られます。50代でも容色が衰えなかったといわれる才女、ディアーヌは、宮殿内にある“ディアーヌ・ド・ポアチエのギャラリー”でその面影をしのぶことができます。ちなみに、冒頭で紹介した「ドン・カルロ」に登場する王女エリザベートは、このアンリ2世とカトリーヌの娘です。“ディアーヌ・ド・ポアチエのギャラリー”や”王の中庭”、”雄鹿のギャラリー”を整備してフォンテーヌブロー城をさらに魅力的に仕立てたのは、ブルボン朝を興し、ナントの勅令でも知られるアンリ4世です。

そのフォンテーヌブローへのアクセスですが、パリのリヨン駅から、国鉄SNCFでフォンテーヌ・アヴォン駅まで40分ほどで到着できます。駅から宮殿まではバスが出ており、所要時間は10分ほどです。但し宮殿は火曜日は休館ですので注意してください。パリからは半日ほどの小旅行になりますが、都会とは一味違う、森に囲まれた独特の空気を味わうことができます。

フォンテーヌブロー市公式サイト:
http://www.fontainebleau.fr/

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