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パリのパワースポット!ノートルダム大聖堂

2014年10月5日 パリ

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Photo Credit: Navin75

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ノートルダム大聖堂は、1163年から200年もの歳月をかけて聖母マリアの為に建設された、フランスを代表する中世ゴシック建築の傑作の1つです。英訳すれば、Our Lady大聖堂といったところでしょうか。ナポレオン1世が戴冠式を行ったのもこの場所、ヴィクトル・ユーゴー作「ノートルダムのせむし男」の舞台もこの場所なのです。
パリという都市は、元々はガリア人が、セーヌ川の中州にあたるシテ島に居住したことからその歴史が始まります。ノートルダム大聖堂が建つのがそのシテ島なのですが、聖堂の前にその場所に建っていたキリスト教のバジリカは、ローマ時代のユピテル神殿跡を壊して建てられました。昔は、ある民族、あるいは街との戦いに勝って征服したということは、相手側の神に自分達の信じる神の加護が勝ったことを意味しましたので、敗者側の神殿を壊して勝者が新しい神殿を建造することは珍しくありませんでした。と考えると、ユピテル神殿の前にはガリア人の宗教的施設があったと推測してもおかしくはなく、ノートルダム大聖堂が建つ場所は、古代から人々が神を祭った、由緒あるパワースポットだといえます。

Photo Credit: Mark Dumont

Photo Credit: Mark Dumont

さて、ノートルダム大聖堂で有名なバラ窓、円形のステンドグラスで飾られた大窓は、全部で3つあります。1210年作の正面(西)のバラ窓が一番古く、直径は9.6m。預言者達が描かれていますが、13世紀にこれほど華麗で荘厳な芸術作品が作られていたことに驚きます。キリストと天使を描いた南窓、聖母子を描いた北窓は、更に大きく直径は13mにも及びます。高い位置にありますので、もしお持ちであれば、オペラグラスを持って行って、細部までじっくり鑑賞することをお薦めします。これらの窓が制作された時代精神では、ステンドグラスは単なる装飾ではなく、当時の神職者達の宗教感を信者達に伝える重要な宗教装置でした。そう考えると、バラ窓鑑賞も一層興味深いのではないでしょうか。

Photo Credit: Ruben Holthuijsen

Photo Credit: Ruben Holthuijsen

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西側のバラ窓の下、正面玄関に戻りまして、左側にある塔の入口から階段を登ると、シメール(キマイラ)のギャラリーで、シメールを始めとする、想像上の怪物のような生物達の像と対面できます。ディズニー映画「ノートルダムの鐘」には、彼らも少し可愛くなって出演していましたね。あの映画を見られた方には訪れて楽しいスポットだと思います。

Photo Credit: levork

Photo Credit: levork

ただし、ご存知かとは思いますが、いつもハッピーエンドのディズニーアニメと違って、ユーゴーによる原作の結末は悲劇です。観光客で賑やかにごった返しながらも、華麗ながらもどこか重圧的な大聖堂の前に立つと、巨匠作家が悲劇の舞台に選んだ気持ちが分かる気がします。
その、せむし男、カジモトが撞いていた鐘ですが、現在、普段鳴らしているのは北塔の鐘です。南塔にある、17世紀に作られた13tもの巨大な鐘が、いわゆる“ノートルダムの鐘”で、ルイ14世によりエマニュエルという名前を与えられています。ヨーロッパで一番音色が良いと言われる名鐘なのですが、残念ながらクリスマスやイースターなど、特別な行事の時にしかその音を聞くことはできません。
中央入口の周囲を飾るアーチは、最後の審判のポルタイユと呼ばれる、13世紀作の精巧な彫刻で埋められています。死からの復活、天国行きか地獄落ちかの魂の選別、その裁きを見守るキリストが彫り出されています。地獄の恐ろしさと、戒律を守ることによるキリストの救済、天国での復活を説いた、中世の厳しい宗教感がよく現われています。

聖堂内部に入ってみると、そこは中世の森をイメージして作られたとも言われる、厳かで幻想的な空間です。高くて重い屋根を支える為にアーチ状をとった太い柱が堂々と並び、ステンドグラスを通した淡い光が内部に差し込みます。初期ゴシック建築時代の末期に建てられたこの聖堂は、ロマネスク様式から離れてフランスで誕生したゴシック様式が、各地で試行錯誤しながら新しい様式を形作っていった、初期の技術の集大成といえます。その美しさをじっくりと堪能して下さい。

ノートルダム大聖堂はセーヌ川の中州、シテ島にそびえていますので、最も便利なアクセスはメトロ4番のCité駅からになります。河上側に向かって200mほど歩くと聖堂に到着です。開館時間は聖堂が8時-18時45分(土日は-19時15分)、塔は基本的には10時-18時30分、6月から8月の土日は23時まで、10月から3月は17時30分までです。聖堂は無料で拝観できますが、塔に登るには8.5€の入場料が必要です。
また、ノートルダム大聖堂は閉館後も楽しめます。夜にライトアップされた姿は一見の価値ありですので、時間があれば、是非暗くなってからも訪問してみて下さい。

ノートルダム大聖堂公式サイト
http://www.notredamedeparis.fr/

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