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パリを知るにはセーヌ河を知ろう

2014年10月3日 パリ

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古代から続いている街は、ほぼ例外なく河の近くに発展してきました。ウィーンといえばドナウ河、ロンドンはテームズ河、そしてパリを育んだのはもちろんセーヌ河です。ブルゴーニュの山中から西北へと流れを始め、パリを通ってイギリス海峡へと通じる、776km、日本で一番長い信濃川の倍ほどの長さの大河です。パリは元々、セーヌ河の中にあるシテ島が発祥の地です。シテ島にあるノートルダム大聖堂は当然として、パリ市庁舎、ルーヴル美術館、オルセー美術館、チュイルリー公園、エッフェル塔などの名所が河の両岸に並びます。

Photo Credit: James Whitesmith

Photo Credit: James Whitesmith

北駅と東駅は右岸に、モンパルナス駅とオステルリッツ駅は左岸にという様に、今でもパリを南北に隔てるセーヌ川は文字通り街の中心に位置します。下流側、つまり西を向いて、セーヌの北側を右岸、南側を左岸と呼びます。

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パリ市の紋章は、そんなパリとセーヌ河の関係をうまく表現しています。河を航行する帆船がメインのモチーフとなっていて、それに添えてラテン語で「たゆたえども沈まず」と書かれています。セーヌ河の水運で発展してきたパリらしい紋章です。

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日本では貿易港とは海に面しているもの、というイメージが強いですが、明治時代にオランダからやってきた治水技師に「滝のようだ」と評された流れの速い日本の河と、広大な平野部をゆったりと流れるヨーロッパの河では事情が違います。安定した水量と、どちらが上流で下流なのか分からないほどの水流の緩やかさは、季節や方向を問わずに物資を運搬できる優れた運路を提供しました。海から150kmも離れたパリですが、長くフランス最大の港の一つとして機能して街の発展を支えてきたのです。

さて、そんなセーヌ河観光にぴったりの遊覧船を2つご紹介します。“バトー・ムーシュ”は2階がオープンエア席になった船で、凱旋門の東を起点にシャンゼリゼ大通りからセーヌ河に伸びるジョルジュ・サンク大通りに続くアルマ橋のたもと、右岸側に乗り場があり、東はサン・ルイ島、西は自由の女神像で折り返す一時間ちょっとの船旅を提供します。30分から40分間隔で運行していて料金は11.50€、ランチクルーズ(55€)やディナークルーズ(99€~)も運行されています。もう一つは“バトー・パリジャン“。こちらは天井がガラス張りの船なので、天気が悪い時には重宝です。エッフェル塔近くのイエナ橋のたもとから約30分間隔で、ノートルダム大聖堂下の左岸からは1~2時間間隔で出発しています。所要時間約1時間、料金12€の船観光ですが、日本語のイヤホンガイドが利用できるので、セーヌ河とその周辺のことがよく分かると思います。

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Bateaux Mouches公式HP:
http://www.bateaux-mouches.fr/jp

もう一つ、観光の足として、セーヌ河が東西に貫くパリだからこそ大活躍の水上バス、バドビュスをご紹介します。フランス語ではBateaux+Bus、ボートバスという意味です。エッフェル塔、オルセー美術館など8箇所の停留所を、一日15€のフリーパス券で自由に乗り降りすることができます。目的の停留所の前で、船内の“降りる”ボタンを押して知らせるところなど、まさに河を走るバスそのものです。

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バトービュス(BATOBUS):
http://www.batobus.com/

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