【私のオトナ留学】アルゼンチンの経済状況と街のようす
こんにちは。
南米、アルゼンチン共和国の首都ブエノス・アイレスでタンゴを勉強しながら
タンゴダンサーとして活動しているあかねです。
「私のオトナ留学」今回は、「アルゼンチンの経済状況と街の様子」についてご紹介します。
アルゼンチンの経済
アルゼンチンの経済状態は安定していません。
2018年8月30日はペソが大暴落し、アルゼンチンの歴史的な一日になりそうです。
難しい経済の話は出来ませんが、経済不安定な国の現状をお伝えしたいと思います。
2015年12月、アルゼンチンの大統領にマウリシオ・マクリ氏が就任しました。
マクリ大統領は、ブエノス・アイレス市の市長だったこともあり、それまでの
クリスティーナ大統領の政策を大きく改革しました。
もともとインフレ大国のアルゼンチンですが、マクリ大統領が就任後に拍車がかかっているのが現状です。
円が安定している日本では、「インフレ」について考えにくいことですが、
ペソの安定してないアルゼンチンでは、当たり前の日々。
日本では消費税が引き上げられた時、話題になりましたが
アルゼンチンでは商品の値段が上がることは日常的なこと。
ここでは、来週、パンがいくらで売ってるかなんて誰にもわからない話です。
IMF(国際通貨基金)の介入
ー2018年6月20日
国際通貨基金(IMF)は、アルゼンチンに対する500億ドルの融資枠を承認。
ー2018年8月29日
トルコショックによる新興国からの資金流出が南米アルゼンチンの経済を直撃して、
IMFに追加支援を求めると発表。
それまで、2018年の1月には1ドル16〜18ペソとじわじわと値下がりしていましたが
このようなニュースが世界を駆け巡り、アルゼンチンのペソの価値が下がり
29日の追加支援の要求で、さらに急激に下落。
8月28日まで1ドル31ペソ程度だったものが、30日には1ドル40ペソまで値下がりました。
8月31日のブエノス・アイレス
ペソの大暴落のあったブエノス・アイレス。
一夜明けた日もいつもと変わらない表情を見せています。
8月30日に40ペソまでに下がったものの、31日は37ペソまで戻したこともありますが、
昨日はセントロ(街の中心街)ではデモが激しかったようです。
ただ、ブエノス・アイレスのデモは、ほぼ毎日行われているので、
市民にとってデモは見慣れてしまった光景といってもいいかもしれません。
外国人への影響
私達アルゼンチンで暮す外国人は、ドルをペソに両替するか、
日本円を銀行からペソで引き出して生活しています。
持っている元の資金が円の場合、円とドルの関係、ドルとペソの関係が大きく影響します。
それぞれ両替をする時に手数料がかかるので、厳密な計算はここでは控えます。
例えば、昨日、パンを100ペソで購入しました。
昨日までのパンは円で換算すると400円。
大暴落した今日、昨日のパンの値段を計算すると円では300円。
というような状況です。
結果的には円を持っている私達は、買い物が安くできて
「超ラッキー!」と思うかもしれませんが、そうとも限りません。
ペソが値下がりするとどうなるか?
ドルに対してペソが値下がりすると、通貨がペソのアルゼンチンでは物の値段が上がります。
水道代、電気代、ガス代、交通費が急激に上がります。
私がアルゼンチンに来た時は、バスは一乗車3ペソでしたが、今は約12ペソ。
2年8ヶ月の間で金額は約4倍になっています。
お店で売られている商品はあっという間に値上がりします。
昨日までは100ペソで買えていたパンが、今日は120ペソ、来週には140ペソになるかもしれません。
しかし、働く人のお給料はペソで支払われるためアルゼンチン人の生活がどんどん苦しくなってきます。
労働者の賃金引き上げのデモが起きて、街中の交通機関は麻痺します。
雇用数は減り、仕事を失う人もいることでしょう。
生活できない人は家を売ったり、家賃を払えなくなるかもしれません。
街には路上生活者が増えます。
生きるためにお金の無い人は、お金持ちを狙って奪い取るかもしれません。
「外国人はドルを持っている」という認識がされていますので、外国人は窃盗やひったくりに
会いやすくなるでしょう。
そして、私達日本人を含むアジア人は「裕福」というイメージがあるのでよりターゲットになりやすいのです。
アルゼンチンに来る方にお願いしたいこと
アルゼンチンは、資源も豊富で美しく、歴史に溢れた私の大好きな街です。
ただ、経済は安定しておらず、街は危険なことも多いです。
物価が上がれば、治安もますます悪くなります。
日本とは、全く違う国であることを理解して来ていただきたいです。
最低限の話ですが、
- 夜の外出は必ずタクシーを使う。
- 街を歩く時はアクセサリーなどの金目の物はつけない。
- 人気のないところや暗い道は昼間でも歩かない。
- 日本語を大きな声で話しながら歩かない。
- もし窃盗にあったら一切抵抗しないで全て差し出す。
- 自分の身は自分で守る、という意思を持つ。
皆さんのアルゼンチンでの滞在が、安全で楽しいものであるよう心から祈っています。
そして、私の大好きなアルゼンチンの未来が良きものになるよう願ってやみません。